○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:T.プードル
名前:柚愛(ゆな)ちゃん
2008.9.19日生まれ(9歳)♀
来院地域:大阪府高槻市
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:T.プードル
名前:柚愛(ゆな)ちゃん
2008.9.19日生まれ(9歳)♀
来院地域:大阪府高槻市
低タンパク血症(PLE)とは血液中のたんぱく質、主にアルブミンが低下することによって腹水貯留を認める疾患で、他に随伴症候群をもっていることもあります。飢餓の国の子供たちが栄養素(たんぱく質、アルブミン)が血液中に少ないためお腹だけ膨らんでいる状態と同じです。たんぱく質、アルブミンは水分を血管内にとどめておく役目をしています。
当院の考えは免疫力は上げるためにあるものであって下げるものではないと考えております。私たちが風邪になっても自分で治る様に、自己免疫疾患は誤って自分で自分を攻撃することによって起こる為、その間違った免疫力を変え(元に戻して)さらに自らの免疫力を上げる事で治療できると考えております。
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:チワワ
名前:ピノちゃん
2003.9.28日生まれ(14歳)♂
来院地域:名古屋市中川区
正常な犬では、腸管から吸収されたアンモニアや細菌の毒素は門脈内を通って肝臓に入り無毒化させるのですが、この門脈と全身の静脈の間をつなぐバイパスとしての静脈が存在している事を言う。
この静脈が存在すると、肝臓で処理されないまま直接全身にまわってしまう。このような血管の異常結合が先天的、後天的に生じたものを門脈-体循環シャント(shunt:短絡)と呼び、有害物質の血中濃度が増大して多くの障害をひきおこす事になる。(特に嘔吐、昏睡状態)
門脈と静脈のシャントは、主に先天的の血管の結合異常で、シャントの仕方によって次のような種類がある。
①門脈-後大静脈シャント
②門脈-奇静脈シャント
③胎生期の静脈管開存
(肝臓内に存在し、胎生期には血流はあるが正常動物では出生後、退縮して閉鎖する)などが代表的なものである。
かかりつけ医での内科治療は以下のものになります。
①ラクツロース: | 便をわざと軟便にする事により、腸内細菌が作り出す毒素を便から排出させる液体の薬を処方されている。 |
②フラジール: | 腸内細菌類を過剰増殖させないように、腸内に存在する寄生虫よりも小さい原虫を殺滅させる内服薬を処方されている。 |
③ウルソ: | 肝機能を良くさせるための強肝剤の処方をされている。 |
④スパカール: | 肝臓で造られた老廃物を肝臓内よりより早く排出させるための胆管拡張剤を処方されている。 |
⑤経口BCAA製剤: | アミノ酸製剤として良質のタンパク源を必要とするため、アミノレバンを処方。これは血中に入ったアンモニア濃度を少なくさせるために処方。 |
⑥食事療法(肝臓サポート): | 低タンパク食を与えたいが、一度に与えるとタンパク濃度が急に増加するため少量を頻回、強制的に与えている。極端な低タンパク食は低タンパク血症を助長するのでさけている。 |
上記の様に一般治療としては素晴らしく完全に西洋医学の王道を走っている。
私から見ると文句の付け様もなく、今の獣医療の出来る最先端治療を行われている。
素晴らしいかかりつけ医さんである。正に“獣医師”と呼ぶに完全に値するものである。しっかりと文献等をお読みになられ、ピノちゃんにとってこれ以上のないベストな獣医療をなされている事に対して、頭が下がる思いでおります。
では当院でのフォローは何か?
頻回嘔吐をなくしてピノちゃんにとって楽な状態を作る事とする様な裏わざを必要と考える。
まずは亜鉛製剤の使用である。これは近医にて処方されていない唯一の物となる。想像するにこの亜鉛製剤は過剰投与になると嘔吐を引き起こすため未処方で見守っているかと思われる。
1kgあたり5~10mg/kgの12時間毎の投与が理想とされているが、当院においてもこれ以上の嘔吐はピノちゃんの体力を奪うため、3mg/kgでの使用を選択する。
門脈-体循環シャントにおいては、手術を行えない以上、腸内細菌層の乱れをなくし、細菌の作り出す不良な毒素を作らない事を第一番と判断する。よってここは当院オリジナルの新型乳酸菌を使用する事により腸内細菌の過剰増殖を防ぎ、アンモニア等の毒素を極力作らなくさせる事にするため処方を迷わず決定とする。
初診日においては、心臓の弁膜症とまでは確定できないが明らかに興奮性心雑音が聴取されるも現状にてかなり多くの内服を処方されているため心雑音に関しては何回か?聴心してからとする。
新型乳酸菌の処方に対する考えとして、アンモニア等の細菌を作り出す毒素を減少させる事のみならず7年の間に体の免疫力も落ち、BCS 1/5になっているため、免疫力の上昇も狙いに入っている。
11月末より当院来院までの間に嘔吐を8回も起こしていた事により脱水5-7%を認めるため
①皮下点滴による脱水の補正。
②新型乳酸菌を40日分処方する。
③亜鉛を3mg/kgで1日2回処方する。
その他、かかりつけ医にてもらっている内服薬は併用としてこれは必須とするものとする。
※今後の方針に関しては、腸内細菌層の乱れを整えていく事。BCSの改善をはかるための免疫力の上昇、生活の質の改善(QOL)を第一として副作用のない治療を行っていく事とする。
新型乳酸菌30日分、亜鉛を30日分処方して、もし、何かあれば連絡をしていただく事とする。
回想:今回の門脈-体循環シャントにおける治療はかかりつけ医による最先端獣医内科療法が行われている事。ここまで徹底した内科医療を行えれるドクターは、そうそう存在しない。当院においては、西洋の治療として踏み込むことができる所は亜鉛製剤の投与のみで、内科診療においては、踏み込む余地はない。
しかしながら、嘔吐が頻回では体力のないピノちゃんの負担になるため先日NHKスペシャル「万病撃退!腸が免疫の鍵だった!」にあった様に腸内細菌層を整えて腸管免疫力を上昇させていく予定でいる。
万が一、新型乳酸菌による治療で限界が見え始めたら他の副作用のない製剤も引き出しの中に持っている。
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:T.プードル
名前:ロビンちゃん
2007.7.21日生まれ(10歳)♀
来院地域:岐阜県多治見市
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:ロングコートチワワ
名前:ロミオちゃん
2008.7.1日生まれ(7歳)♂
来院地域:愛知県犬山市
他院にて3週間前に病理検査により唾液腺周囲腺炎と診断。
この日よりステロイドを1日2回処方。ステロイドに頼りたくないとのことで、早めに当院へ転院。
オーナー様いわく、まさか本当に良くなるとは思わなかったとのことです。
これが正にオーナー様の本音だと思います。治療は一般的な西洋治療のみが存在するわけではありません。
この子の治療は、腸管粘膜活性療法にておこなっております。
自然療法薬を用いた治療は全て腸管粘膜活性療法にての治療になります。
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:チワワ
名前:Nico(ニコ)ちゃん
2012.6.4日生まれ(4歳)♀
来院地域:北名古屋市
多発性関節炎とは、免疫介在性関節炎とも呼ばれ、本来、自分の体を守るべき免疫系が、何らかの理由で、この免疫システムが壊れてしまい、自分の体の一部である関節を攻撃してしまう疾患です。びらん性関節炎と非びらん性関節炎とに分かれて呼ばれており、びらん性関節炎の方が重症になりますが、犬における発症率は1%程度と言われています。全身の関節に痛み、こわばり、関節の腫大を認めます。
多発性関節炎の発見は著しく難しく、大学付動物病院、動物高度医療センターなど、の3次病院で初めてわかることが多い難病となります。
今回の症例は、なんと1件目の病院にてCRP(炎症指数)と、関節液の抽出を行い確定された極めて珍しい症例となります。
多発性関節炎は、ステロイド治療においても寛解をすることがあり、実際、ニコちゃんの場合1度ステロイドで寛解に至っています。
今回の治療の目的は、自ら壊してしまった自分の免疫力を元に戻すこととし、元に戻った自分の免疫力を上昇させることとする。
再発の出ない事を目的としています。
○当院3件目(サードオピニオン)
種類:パピヨン
名前:レナちゃん
2006年8月30日生まれ(9歳)♀
来院地域:愛知県春日井市
脂肪織炎とは正式名称を無菌性非化膿性脂肪織炎といいます。かなり長い名称ですが、漢字を区切って考えて見ましょう。無菌性なので、細菌(バイ菌)は存在していません。細菌(バイ菌)が存在していないので膿む事がありませんので非化膿性となります。最後に脂肪織炎とつきますので脂肪組織で炎症が起こっている症状ということになります。体の仕組みは、通常、自分以外の物を攻撃し、自分の体は絶対に攻撃しないように出来ています。その免疫力が間違ってしまった病気になります。
レナちゃんは、前院にて病理検査を実施し、無菌性非化膿性脂肪織炎と確定されました。
今回のレナちゃんはM.ダックスフントではなくパピヨンになります。今まで、脂肪織炎をみてきて、M.ダックスフント以外の子は、M.プードルとレナちゃんだけになります。通常の治療はステロイドになります。それでもダメならステロイドを増量していき、Maxでもダメなら免疫抑制剤の使用になります。
レナちゃんの初発病変は、2011年6月13日に右側肩下(脇上)のしこりの出現になります。
2012年6月4日に再々発。ステロイドとサイクロスポリンを使用。その間にも何度か再発あり。状態の悪い時は、じっとしていて動かない。その間も、ステロイドと免疫抑制剤の服用をされていました。
○この病気、当院にて発症
当院3件目(サードオピニオン)
種類:ヨークシャテリア
名前:次男坊ちゃん
2006年6月1日生まれ(9歳)♂
来院地域:愛知県春日井市
低タンパク血症(PLEとは)血液中のたんぱく質、主にアルブミンが低下することによって腹水貯留を認める疾患で、他に随伴症候群をもっていることもあります。飢餓の国の子供たちが栄養分(たんぱく質、アルブミン)が血液中に少ないためお腹だけ膨らんでいる状態と同じです。たんぱく質、アルブミンは水分を血管内にとどめておく役目をしています。
通常の治療はステロイド、免疫抑制剤を使用せざるを得ない症例になります。
当院にて発症しておりますので、ステロイド、免疫抑制剤を使用するつもりはなく、間違ってしまった免疫力を元にもどして、低くなった免疫力を上げる治療を行いました。
当院の考えは免疫力は上げるためにあるものであって下げるものではないと考えております。私たちが風邪になっても自分で治る様に、自己免疫疾患は誤って自分で自分を攻撃することによって起こる為、その間違った免疫力を変え(元に戻して)さらに自らの免疫力を上げる事で治療できると考えております。
ですので、当院には眼科用免疫抑制剤はありますが、一般の免疫抑制剤のストックは全くありません。ステロイドは、難病から脱ステロイド(ステロイドを抜いていく)ために用意しております。当院において、低タンパク血症の子は他に2例おり、免疫抑制剤は2例とも完全stop、脱ステロイド中(ステロイドを少しずつ減量している途中)です。他に脂肪織炎、多発性関節炎の子も同様に治療中です。
○当院2件目(セカンドオピニオン)
種類:トイ プードル
名前:テディちゃん
2007年6月21日生まれ(9歳)♂
来院地域:愛知県春日井市
※注意
近年MRが一番多い犬種は今ブームになっているレッドのT.プードル、アプリコットT.プードルです。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、8歳以上になると90%以上の確率でMRが出てきます。
私の場合、MRを細かく分類したいのでレバイン分類(Levine)を用いています。
レバイン分類(Levine)
※興奮時心雑音の可能性ももちろんありますので、1~2週間後に再度確認することにしております。
今回ACE阻害剤と併用するサプリメントは抗活性酸素剤となります。
※抗活性酸素剤とは文字通り活性酸素に対抗するものです。活性酸素というと、何か良さそうな物という印象を与えてしまうのですが、私たち人間も含めて酸素を吸って呼吸して生きています。
その際に出来る酸素の老廃物を活性酸素といいます。我々人間も生まれてからずっと酸素を吸って生きていますが、若いうちは病気(生活習慣病、ガンなど)になりません。
活性酸素がある一定以上の量に達すると病気を引き起こすことになります。
今回の症例では、このサプリメントを使用する事で心臓の内膜、弁、血管の内側にくっついた老廃物を洗い流して血液の循環を良くしようというものです。
例えは悪いですが、外の側溝を思い描いてみてください。内側にドロ、草、ゴミがあると水の流れが悪くなって大雨の時に水が側溝から溢れてきます。
ドロ、草、ゴミを普段から綺麗に掃除してあると雨がどれだけ降っても溢れる事はありません。
それと同じ事を体内の循環器で起こさせて血流を良くする事で心臓弁膜症(MR)を良くしていこうというものです。
抗活性酸素剤でコントロールが出来ればACE阻害剤の容量を増やすことなく良い状態を保てられる。心臓弁膜症をより少ないACE阻害剤の用量で維持出来ます。
※この子だけでなく多くの子に同様な症状が認められております。1度ACE阻害剤をやめて、抗活性酸素剤のサプリメントのみにしたら、2週間後にIIに戻った子もおりますので、IIからグレーゾーンになったらサプリメントのみへの切り替えは非常に注意して行わなければなりません。